今回は情報資源組織論の合格レポート及び科目終末試験の問題・及び解答例をご紹介していきます。これからレポートに取り組む方やテスト対策の参考にしていただけると嬉しいです🌟
この記事でわかること ✔️情報資源組織論のレポート設題 ✔️合格レポートの構成 ✔️情報資源組織論の科目終末試験設題 ✔️合格した解答の内容
学習にあたってテキストが必要なので、事前に用意してくださいね!
情報資源組織論とは?
情報資源組織論では、図書館にある情報資源を検索可能な状態にするための仕組みについて学びます。
図書館におけるサービスを円滑に提供できるのは、情報資源を整理したり探しやすい状態にしているからなんですね。
レポート
ここからは実際の合格レポート(2021)を掲載しました。設題が二つありますので、それぞれ分けてご紹介していきます。
※レポートの丸写しは禁止されていますのであくまで参考に留めてください。
情報資源組織論 合格レポート(2021)
<設題1> 指定したキーワードをすべて使って、各設問の解答を完成させてください。 現在、多くの公共図書館や大学図書館で、外部の書誌データを利用した目録作成業務が行われています。集中目録作業と分担目録作業(=共同目録作業)、それぞれの特徴(意味や役割、課題など)を明確にし、さらに今後の目録作成業務のあり方について自らの見解をまとめてください。(1,000字)<キーワード:MARC、集中目録作業、分担目録作業、総合目録、書誌ユーティリティ> <解答> 1 はじめに 目録とは利用者が図書館で利用可能な資料を発見・識別・入手できるようにするためデータベース等として編成するもの(注1)であり,目録を作成する業務のことを目録作業という。今回は目録作業について集中目録作業と分担目録作業の意味や役割,それぞれの課題を述べる。また今後の目録作成業務のあり方について,自らの見解をまとめる。 2 本論 集中目録作業とは(〜324字) ・作業の利点 ・作業の課題 一方分担目録作業(共同目録作業)とは(〜371字) ・作業の利点 ・総合目録、書誌ユーティリティ ・作業の課題 今後の目録作成業務は,ネットの発展に伴い作成業務をより効率化できるような仕組みができると考える。上記の作業の弱点を補えるようなシステムを検討することが求められる。 3 おわりに 時代とともに良質な目録を効率的に作成することが可能となった。図書館員として常に良い目録を作成できるよう,自己研鑽に励んでいく。 文字数 1049 <設題2> 地域の図書館(公共図書館)での現地調査もしくは調査対象館のHPの蔵書検索により、「蔵書の所在記号(背ラベル)の付与のしかた」について複数ケースを洗い出し、気づいたことをまとめてください。さらに、調査で得た内容や関連情報をもとに、書架分類と書誌分類という二つの点から、NDCの分類(記号)を活用することの意義や課題について考察してください。尚、調査対象館は“NDCを採用する近隣の公共図書館”で、取り扱う情報資源は“紙資料”とする。(1,000字)<キーワード:書架分類、書誌分類、目録、配架(テキストでは排架を使用)、所在記号> <解答> 1 はじめに 日本の図書館で多く使われている分類法をNDC(日本十進分類法)という(以下説明50字)。 今回は〇〇図書館のHPの蔵書検索より蔵書の所在記号の付与の仕方を調査し,書架分類・書誌分類という二つの点からNDCを活用することの意義や課題について述べる。 2 当該図書館の所在記号 今回二つの図書を調査対象とした。①「596.8 タ『私の紅茶時間ーアレンジティーレシピ50ー』武井 由佳」は食品,料理の食事作法,配膳(テーブルセッティング)に分類されている。(注1)②「619.8 イ『世界の紅茶ー400年の歴史と未来ー』磯淵 猛」は農産物製造・加工の製茶に分類されている。(注1) 上記からわかったことは,どちらも紅茶について書かれているが所在番号が違うということである。①はテーブルコーディネートについても書かれていること,著者が紅茶コーディネーターとしての資格を所有していることもこの分類の要素となったと考える。②では紅茶の歴史や各国における紅茶の製法など生産に関わる内容が含まれている。つまりこれらは「主題及びサブタイトル」によって分類されたため,付与された記号が違うのだということがわかった。 3 NDCを活用することの意義や課題 (NDCの意義74字) 調査した①は書架上にあるため書架分類で見つけることができた。②は書庫にあったため,書誌分類が有効であった。(以下書架分類、書誌分類の課題164字) 書架分類,書誌分類の両者で上記の課題を補いつつ,いずれの資料にも対応できるような目録を作成することが肝要である。 4 おわりに NDCを理解している利用者は少ない。以前住んでいた〇〇では,図書館HPに図書館の基礎知識としてNDCの分類方法を記載していた。NDCが目に入りやすいような工夫がどの図書館にも必要であると考える。 文字数 1038
参考文献・添付資料
- 設題1 参考文献 図書館情報学用語辞典 第5版
- 設題1 参考文献 ベーシック司書講座・図書館の基礎と展望3(下部にリンクあり)
- 設題2 参考文献 (注1)日本十進分類法 簡易版
- 設題2 参考文献 〇〇図書館HP 蔵書検索
講評
よく書けています。(本文ママ)
作成にあたって
設題2は、同じワードを比較すると書きやすいです。私は「紅茶」に絞って、記号の付与の仕方を考えました☕︎
また同じ図書を他の図書館とも合わせて比較すると、当該図書館独自の付与の仕方がより分かりやすく感じました。
せっかくなので好きなものを題材にすると、再提出になっても凹みにくいです。笑
科目終末試験
ここからはテスト問題と合格解答(2021)をご紹介します!試験の形式はWeb試験、成績は良 70点でした。
※模範解答ではありません。解答の丸写しは禁止されていますのであくまで参考に留めてください。
情報資源組織論 科目終末試験 解答(2021)
<設題> 書誌分類法に比べ、書架分類法が現在多く用いられている理由について論じなさい。 注意事項 ・教科書等の内容をそのまま抜き出すのではなく、自分の言葉で記述してください。 ・解答は条書きではなく、つながりのある文章で記述してください。 <解答> 図書館では主題検索のための組織化の手法として「書誌分類」や「書架分類」を行なっている。 書誌分類法とは情報資源の主題を分析しその書誌的記録を中心に行う分類のことである。利点としては対象がはっきりしている情報資源を素早く入手できる点である。近代以前の図書館では書誌分類法が中心であった。 書架分類法とは情報資源そのものを主題グループごとに分類し排架することにより、利用者が主題検索をできるようにする分類のことである。利点としては利用者が直接書架に近づき資料を手に取って選択・判断できるという点である。同じ主題の情報資源が書架上にまとまっているため、主題の書架に行けば自分の目で情報資源を確認することができる。近接した主題が隣接した書架に排架されているため、利用者の知識の幅を広げることができる。 また年齢問わずに利用でき、ブラウジング効果も得られる。思わぬ発見や新たな興味・関心をもつきっかけとなるような情報資源と出会うことができるのである。書架分類法は利用者の中でもこれから成長するであろう児童生徒、大学新入生にとって知識を吸収するのに最も適した教材である。 図書館にある資料は一定のルールで並んでいる。現在の公共図書館の多くが「日本十進分類法(NDC)」を採用し、これによって資料を整理、排架している。全ての本を内容によって1類から9類までに分類し、どれにも当てはまらないものを0類として全部で10のグループに分けさらにそれを細分化している。主題に基づいた分類で、どの図書館でも分類方法を統一することができる。そのため全国どの地域でも同じ本を決められた分類の書架に行けば手にすることが可能である。色々な図書館を利用したとしても、必ず同じ番号で分類されていれば資料を探す時間も大幅に削減することができるのである。 書架分類法は閲覧中や貸出中のものに関しては不利である。しかし、実際に目で見て資料を判断できる点や他の資料の利用へとつながる点、どこでも同じ日本十進分類法による書架分類が一定である点から現在多く用いられているのではないかと考える。 文字数 871
感想・反省点
分類法の説明が長く、後半の「書架分類が多く用いられている理由」が短くなってしまいました。
理由や意見は先にまとめておいた方が良いですね!
まとめ
今回は情報資源組織論のレポート及び科目終末試験についてご紹介しました。メディア授業の機会を増やしたい方は是非この記事を参考にレポートに取り組んでみてください。
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